令和4年度 下期 電験3種 機械 問4の過去問解説

令和4年度 下期 電験3種 機械 問4

次の文章は、三相同期電動機の位相特性に関する記述である。
図は三相同期電動機の位相特性曲線(V曲線)の一例である。同期電動機は、界磁電流を変えると、電機子電流の端子電圧に対する位相が変わり、さらに、電機子電流の大きさも変わる。図の曲線の最低点は力率が1となる点で、図の破線より右側は(ア)電流、左側は(イ)電流の範囲となる。また、電動機の出力を大きくするにつれて、曲線は(ウ)→B→(エ)の順に変化する。
この位相特性を利用して、三相同期電動機を需要家機器と並列に接続して無負荷運転し、需要家機器の端子電圧を調整することができる。このような目的で用いる三相同期電動機を(オ)という。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 遅れ 進み A C 静止形無効電力補償装置
(2) 遅れ 進み C A 静止形無効電力補償装置
(3) 遅れ 進み A C 同期調相機
(4) 進み 遅れ C A 同期調相機
(5) 進み 遅れ A C 同期調相機

解答・解説

正解(4)

同期電動機の基本特性として、界磁が小さくなると遅れになり、界磁が大きくなると進みになります。

よって、力率1のラインより右側は進み、左側は遅れになります。電動機の出力が大きくなれば、電機子電流が大きくなるのでC→B→Aのように変化していきます。
このように、同期電動機は界磁電流を調整することで、進みから遅れの負荷に自在に制御できます。これを調相設備として、同期電動機を無負荷運転すれば、同期調相機になります。
よって、(ア)進み(イ)遅れ(ウ)C(エ)A(オ)同期調相機となるので、正解は(4)になります。
なお、下図に示す通り、同期発電機の場合には進み・遅れの関係が逆になるので、注意が必要です。

同期電動機 同期発電機

 

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