【H30 電験2種 2次 電力・管理 問1】自流式水力発電所の年間平均流量と最大出力の計算問題

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この記事では、平成30年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問1の過去問解説をします。

この問題は計算間違いにだけ気を付ければ完答できる問題です。

稀にこうしたサービス問題が出題されるので、確実に完答できるようにしましょう。

一見簡単そうに見えて、条件とか謎の係数とかが設定されているひっかけ問題もあるので注意してください。

この問題は、総落差は取水口標高と放水口標高の差であることがポイントです。

水車中心標高が完全にダミーの値なので、引っかからないようにしてください。

平成30年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問1 問題文

河川の流域面積が$200{\rm km^2}$、年間降水量が$1 500{\rm mm}$、流出係数$0.7$の河川がある。この河川に最大使用水量が年間平均流量の2倍の自流式発電所を設置するとき、次の問に答えよ。

ただし、取水口標高$420{\rm m}$、水車中心標高$185{\rm m}$、放水口標高$200{\rm m}$、損失落差を総落差の$5\%$、水車効率$90\%$、発電機効率$98\%$、1年は365日とする。

(1)この河川の年間平均流量$\left[{\rm m^3/s}\right]$を求めよ。

(2)発電所の最大出力$\left[{\rm kW}\right]$を求めよ。

解答・解説

小問(1)河川の年間平均流量の計算

年間で河川に降り注ぐ雨の量は、流域面積$200\left[{\rm km^2}\right]$($=200×10^6\left[{\rm m^3}\right]$)、年間降水量が$1500{\rm mm}$($=1.5\left[{\rm m}\right]$)であるから、流出係数$0.7$を考慮して、

$$0.7×200×106×1.5=210×10^6\left[{\rm m^3}\right]\tag{1}$$

この水が1年間に流れるので、1秒当たりの水の量を計算すると、平均流量として

$$\frac{210×10^6}{365×24×3600}=6.65905631658\left[{\rm m^3/s}\right]\tag{2}$$

となる。

(答)$6.66\left[{\rm m^3/s}\right]$

小問(2)水力発電所の最高出力の計算

年間のうち最大の流量は、平均流量の2倍であるので、小問(1)より最大流量は、

$$6.65905631685×2=13.3181126331\left[{\rm m^3/s}\right]\tag{3}$$

となる。

水力発電所の相落差は、取水口標高と放水口標高の差なので、

$$420-200=220\left[{\rm m}\right]\tag{4}$$

以上より、水力発電所について、

  • 最大流量:$13.3181126331\left[{\rm m^3/s}\right]$
  • 総落差:$220\left[{\rm m}\right]$
  • 損失落差:(相落差の)$5\%$
  • 水車効率:$90\%$
  • 発電機効率:$98\%$

であるから、最大出力$\left[{\rm kW}\right]$は、

$$\begin{align}
&0.9×0.98×9.8×1000×13.3181126331\\
&×220×\left(1-0.05\right)÷1000\\
&=24059.3356161\left[{\rm kW}\right]\tag{5}
\end{align}$$

となる。

(答)$2.41×10^4\left[{\rm kW}\right]$

水車中心標高はダミーです。

ちょっとしたひっかけ問題ですね。

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