【H30 電験2種 2次 電力・管理 問4】地中配電系統に関する論説問題

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この記事では、平成30年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問4の過去問解説をします。

地中配電系統に関する論説問題で、1次試験の記憶があれば回答できる内容になっています。

平成30年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問4 問題文

地中配電系統の特徴について、次の問に答えよ。

(1)架空配電線と比較したとき、地中配電系統のメリットとデメリットをそれぞれ二つずつ述べよ。

(2)地中配電系統の供給方式のうち本線予備線方式(常用予備切替方式ともいう)とスポットネットワーク方式について、常時供給している配電線路内に事故が生じた際の需要設備側の応動(操作又は自動切り換え、保護装置)を含め、それぞれ概要を述べよ。

解答・解説

(1)架空配電線と比較したときの地中配電系統のメリットとデメリット

試験センター 標準解答

(メリット) 都市の美観が向上する。
同一ルートにケーブルを多数条施設可能なため,都市部など高需要密度地域への供給が可能となる。
暴風雨,雷,火災などの災害に対して信頼性が向上する。
設備の安全性が向上する。
など
(デメリット) 建設費が高額
新設や増設など需要変動への即応が困難
事故復旧・改修に時間がかかる。
など

地中配電系統の特徴

メリット

地中配電系統は、台風、雷などの自然環境から隔離された地下に敷設するので、自然災害の影響を受けにくいメリットがあります。

また、都市部に露出した電線がなくなるので、美観が向上します。一般の人(法規的に言えば、取扱者以外の者)が立ち入ることができない場所への設置となるので、安全性も高まります。

デメリット

デメリットとしては、建設費が高いこと、ケーブルなので対地静電容量が増加し、充電電流が多く流れることです。

また、系統の対地静電容量が大きくなるので、深夜の軽負荷時にはフェランチ効果によって、受電端電圧が上昇しやすくなります。

小問(2)常時供給している配電線路内に事故が生じた際の需要設備側の応動

試験センター 標準解答

本線予備線方式は,2 回線の異なる配電線に接続し,停電時に常用予備切換をする方式である。通常あらかじめ定められた常用線から受電しているが,配電系統が事故停止した場合,需要家構内事故でないこと,及び予備線に電圧があることを条件に,受電用遮断器又は断路器を手動又は自動で切り換える。そのとき一定時間の停電を伴う欠点があるが,スポットネットワーク方式より簡単な設備構造となる。
スポットネットワーク方式は,一般的に20kV 級電源変電所から3回線の配電線から受電する方式であり,都市部の高層ビルや大工場等の大容量で高信頼度が求められる地域に適用される。このスポットネットワーク方式は受電用遮断器を省略し,変圧器の二次側にネットワークプロテクタを設置し,各種事故に対して事故区間を適確に切り離し,負荷には無停電で供給を行うことができる。したがって保護装置が複雑で建設費が高くなる一方,一次側配電線又は変圧器が事故停止しても,設備容量を常時供給する容量の1.5倍で設計しておけば残った設備により無停電で供給できるので,供給信頼性が高い。

本線予備線方式とスポットネットワーク方式

本線予備線方式(常用予備切換方式)

解図1に示す通り、本線(常用)と予備の2回線のフィーダーから受電し、本線(常用)が事故や工事で停電した際に、ただちに予備に切り替える方式で、後述のスポットネットワーク方式よりも簡単な構造になります。

解図1

スポットネットワーク方式

20kV級配電線(※)を3回線で受電し、変圧器の2次側を共用する方式です。

ネットワーク変圧器は通常二次側で230/400Vに接続されます。スポットネットワーク方式は信頼性が高く、需要家の停電はネットワーク変圧器より需要家側に限られます。

またネットワーク母線以外は、並列する他の機器を通じて送電を継続したまま、安全に切り離すことができ、安全な保守点検も可能になります。

ネットワーク変圧器から電源側の事故は、ネットワークプロテクタで検出・保護を行うので、受電用遮断器が省略できます。

※20kV級配電線について

22kVや33kVの配電線のことで、既存の6.6kV配電線よりも電圧が高いことで、配電時の損失が少ないこと、都市部の密集した負荷にも対応できることがメリットとして挙げられます。

一方で、既存の6.6kVの配電線は、20kV級送電線に置き換えるにはコストがかかります。

そこで、直前まで20kV級配電線で給電を行い、既設の6.6kV配電線に接続する時には変圧器によって降圧することで、電力容量の増加と既存設備の有効活用が行われています。

解図2 スポットネットワーク方式

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