【H30 電験2種 2次 電力・管理 問2】変電所母線の結線方式の論説問題

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この記事では、平成30年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問2の過去問解説をします。

変電所母線の結線方式の論説問題で、1次試験の記憶をもとに何かしら書いて部分点は十分狙えそうな問題になっています。

電力・管理科目の得点の底上げに役立つ問題です。

平成30年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問2

変電所母線などの結線方式には、単母線方式、複母線方式(二重母線方式)、ユニット方式などがあるが、結線方式の選定の一般的な考え方と特徴について、次の問に答えよ。

(1)変電所の結線方式を決定する際に考慮すべきことを三つ述べよ。

(2)単母線方式、複母線方式、ユニット方式について、該当する単線結線図の記号を下図からそれぞれ一つ選べ。

(3)単母線方式、複母線方式について、それぞれの長所・短所を述べよ。

試験センター 標準解答

小問(1):試験センター 標準解答

・送電線事故時,母線事故時の系統への影響・供給信頼性
・変化する電源,送電線工事に対応する適応性
・送電線や変圧器の増設工事における安全性
・点検等による停止の難易など系統運用操作の容易性
・設置スペースなども含めた経済性

小問(2):試験センター 標準解答

・単母線方式:(ロ)
・複母線方式:(イ)
・ユニット方式:(ニ)

小問(3):試験センター 標準解答

単母線方式

所要機器及びスペースが少なくすみ,経済的に有利となる一方で,母線事故があった場合に当該母線が停止となり,また,母線側断路器等の点検のために,全停電となる場合があるなど,供給信頼性は低い。

複母線方式

母線切換のための断路器,鉄構等の設備が増え,所要面積が増加する一方で,機器点検や系統運用が容易となり,母線事故が発生しても,接続されている送電線や変圧器を他の母線に直ちに変更することができるなど,供給信頼性が高い。

変電所の結線方式

本問で問われている変電所の結線方式は、

  • 単母線方式
  • 複母線方式
  • 環状母線方式
  • ユニット方式

です。

単母線方式

問題図(ロ)が単母線方式で、1つの母線に変圧器を接続する方式。

最も単純な構成にはなりますが、母線の停止すれば全停電になってしまうほか、大規模な変電所であれば多数の変圧器が接続されることによって設備が複雑になり、信頼度が低下します。

解図1 単母線方式

複母線方式

問題図(イ)が複母線方式で、複数の母線を用意し、ブスタイを設けることで単一母線の事故時にも全停電を防止します。

単一母線方式と比較して断路器、母線、鉄構が増え設置面積の増加がありますが、高い信頼性が要求される場合に採用される方式です。

解図2 複母線方式

また、解図3に示す通り、ブスタイを4つ使用し、標準的な二重母線方式をさらに分割した二重母線4ブスタイ方式もあり、母線事故の際に停電範囲を局限化できることから、重要度の高い基幹系統変電所で採用されています。併せて覚えておいてください。

解図3 二重母線4ブスタイ方式

環状母線方式

問題図(ハ)が環状母線方式で、少ない面積での設置が可能で母線の部分停止が可能となり、遮断器の点検は便利にはなりますが、複母線方式ほどの自由度はありません。

解図4 環状母線方式

ユニット方式

問題図(ニ)はユニット方式で、ユニットごとに母線にした結線になります。

過密地区のケーブル変電所で多く採用される方式です。

変電所バンクの一次側遮断器を省略し、断路器だけとする場合もあり、事故時は電源側変電所の引出し口遮断器で遮断します。

解図5 ユニット方式

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