【R2 電験2種 2次 機械・制御 問1】誘導電動機の固定子・回転子上の回転磁界と機械速度の計算問題

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この記事では、令和2年度 電験2種 2次試験 機械・制御 問1の過去問解説をします。

誘導機の

  • 固定子上の回転磁界
  • 回転子上の回転磁界
  • 回転子の回転数(機械速度)

の関係を問う問題であり、誘導電動機の動作理解に最適な良問です。

誘導電動機は、

固定子の回転磁界と回転子の回転磁界が同期して回転している

という基本的な動作原理を、問題解説を通して理解してください。

令和2年度 電験2種 2次試験 機械・制御 問1 問題文

三相かご形誘導電動機に関して、次の問に答えよ。

4極の三相かご形誘導電動機が$60{\rm Hz}$の電源において$5\%$の滑りで運転している。下記の数値を求めよ。なお、相対速度は単位$[{\rm min^{-1}}]$を使って答えよ。

(1)固定子巻線電流による回転磁界と固定子との相対速度の大きさ$N_0$

(2)回転子と固定子との相対速度の大きさ$N_m$

(3)固定子巻線電流による回転磁界と回転子との相対速度の大きさ$N_s$

(4)回転子巻線を流れる電流の周波数$f_2$

(5)回転子巻線電流による回転磁界と回転子との相対速度の大きさ$N_r$

(6)回転子巻線電流による回転磁界と固定子との相対速度の大きさ$N_R$

(7)回転子巻線電流による回転磁界と固定子巻線電流による回転磁界との相対速度の大きさ$N_{sr}$

解答・解説

本問は誘導電動機の基本動作が理解できているかを確認するような問題です。1次試験の時にとにかく暗記していた!という方は、この解説を通して、誘導電動機の動作原理を理解してください。

ポイントとなるのは、

  • 固定子の回転磁界の回転速度:$N_0\left[{\rm min^{-1}}\right]$
  • 回転子の回転磁界の回転速度:$sN_0\left[{\rm min^{-1}}\right]$
  • 回転子の回転速度:$\left(1-s\right)N_0\left[{\rm min^{-1}}\right]$

であるので、固定子から見た回転子上の回転磁界の回転数は$sN_0+\left(1-s\right)N_0=N_0$となります。

すなわち、回転子上の回転磁界は、固定子の回転磁界と同期して回転しているということになります。

下の図において、左の図が誘導電動機の回転の様子を示し、左の図は、同期速度(=固定子上の回転磁界の回転速度)、電動機の回転速度、回転子の回転磁界の回転速度を示しています。

小問(1)

「固定子巻線電流による回転磁界と固定子との相対速度の大きさ」とは、すなわち同期速度のことであるから、同期速度$N_0$は、

$$\begin{align}
N_0&=\frac{120}{p}f\\
&=\frac{120}{4}×60\\
&=1800\left[{\rm min^{-1}}\right]\tag{1}
\end{align}$$

となる。

(答)$N_0=1800\left[{\rm min^{-1}}\right]$

小問(2)

滑り$s=5$[%]であるから、

$$\begin{align}
N_m&=\left(1-s\right)N_0\\
&=\left(1-0.05\right)×1800\\
&=1710[{\rm min^{-1}}]\tag{2}
\end{align}$$

となる。

(答)$N_m=1710\left[{\rm min^{-1}}\right]$

小問(3)

題意より、$N_s=N_0-N_m$であるから、

$$\begin{align}
N_s&=N_0-N_m\\
&=1800-1710\\
&=90[{\rm min^{-1}}]\tag{3}
\end{align}$$

となる。

(答)$N_s=90\left[{\rm min^{-1}}\right]$

小問(4)

回転子巻線電流の周波数$f_2$は、

$$\begin{align}
f_2&=sf\\
&=0.05×60\\
&=3\left[{\rm Hz}\right]\tag{4}
\end{align}$$

となる。
(答)$f_2=3\left[{\rm Hz}\right]$

小問(5)

本問は設問が分かりにくいですが、回転している回転子上からみて、回転子の回転磁界との相対側を求める問題です。つまり、回転子巻線電流の周波数の値を、機械的回転数に換算することが本問のポイントになります。

電流周波数と機械的回転数の換算式は、

$$N=\frac{120}{p}f$$

でしたね。

題意より、電流における周波数f_2=3Hzを、機械的回転数に換算すればいい。

すなわち、

$$\begin{align}
N_r&=\frac{120}{p}f_2\\
&=\frac{120}{4}×3\\
&=90[{\rm min^{-1}}]\tag{5}
\end{align}$$

となる。

(答)$N_r=90\left[{\rm min^{-1}}\right]$

小問(6)

回転子の回転数は$N_m=1710\left[{\rm min^{-1}}\right]$である。一方、回転子と回転子上の回転磁界の相対速度は$N_r=90\left[{\rm min^{-1}}\right]$である。

これより、

$$\begin{align}
N_R&=N_m+N_r\\
&=1710+90\\
&=1800[{\rm min^{-1}}]\tag{6}
\end{align}$$

となる。

(答)$N_R=1800\left[{\rm min^{-1}}\right]$

小問(7)

固定子の回転磁界は$N_0=1800\left[{\rm min^{-1}}\right]$である。

一方、回転子の回転磁界は、小問(6)で求めた固定子との相対速度$N_R$になるから$N_R=1800\left[{\rm min^{-1}}\right]$である。以上より、

$$\begin{align}
N_{sr}&=N_0-N_R\\
&=1800-1800\\
&=0\left[{\rm min^{-1}}\right]\tag{7}
\end{align}$$

となる。

(答)$N_{sr}=0\left[{\rm min^{-1}}\right]$

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