令和4年度 下期 電験3種 機械 問12
電気加熱に関する記述として、誤っているものを次の（1）～（5）のうちから一つ選べ。
（1） 抵抗加熱は、電流によるジュール熱を利用して加熱するものである。
（2） アーク加熱は、アーク放電によって生じる熱を利用するもので、直接加熱方式と間接加熱方式がある。
（3） 赤外加熱において、遠赤外ヒータの最大放射束の波長は、赤外電球の最大放射束の波長より長い。
（4） 誘電加熱は、交番電界中におかれた誘電体中に生じる誘電損により加熱するものである。
（5） 誘導加熱は、印加磁界中におかれた強磁性体中の渦電流によって生じるジュール熱（渦電流損）により加熱するものである。
解答・解説
正解（5）
（1）正しい
抵抗加熱はジュール熱です。
電気回路の計算で抵抗の消費電力である$IR^2$で求めることができる、最もなじみのある発熱方法といえます。
よって、正しい記述です。
（2）正しい
アーク加熱はアーク放電時の熱を利用するものです。
加熱対象を電極として直接的にアークを発生させ加熱する直接加熱方式と、加熱対象を間に置き黒鉛などの別の電極からアークを発生させて加熱する間接加熱方式があります。
よって、正しい記述です。
（3）正しい
選択肢に記載のある通り、正しい記述です。
（4）正しい
誘電加熱は、交番電界中におかれた誘電体中に生じる誘電損により加熱する方式です。
よって、正しい記述です。
（5）誤り
誘導加熱は、磁場内に置かれた導体の渦電流により加熱するものです。
誘導加熱は、IHクッキングヒーターで使用されています。
ジュール熱が発生するのは強磁性体中ではないので誤りです。
