令和元年度 電験2種 2次試験 電力・管理 問1の過去問解説(発電:火力発電の非常用ディーゼル発電機の電源構成に関する論説)

火力発電所の所内交流回路には、送電系統や所内回路の事故により電源喪失した場合でも安全面や設備保全で重要な補器電動機(負荷)が運転継続できるように、非常用ディーゼル発電機が接続できる電源系統構成となっている。この電源系統に接続されている補器電動機(負荷)のうち、蒸気タービン又はタービン発電機に関するものを二つ挙げ、停止させない理由をそれぞれ200字以内で述べよ。

解答・解説

試験センター 標準解答

接続されている代表的な負荷と理由は次のとおり。
・ターニングギア電動機
(理由)
ユニット停止後もタービン車室は高温であり,タービンロータが熱により偏心することを防止するため,一定時間はターニング装置でロータを回転させておく必要がある。
・発電機(水素)密封油ポンプ電動機
(理由)
発電機機内は冷却のために水素が封入されており,機外へ漏れ出すことがないように,機内圧を下げて水素を抜き取るまでロータ軸封部には油を供給し続ける必要がある。

出展:令和元年度 第2種電気主任技術者 二次試験 標準解答

非常用電源によって運転継続が必要な補器電動機

非常用ディーゼル発電機によって運転継続が必要な補器電動機は、

  • ターニングギア電動機
  • 発電機(水素)密封油ポンプ電動機

があります。

ターニングギア電動機

運転停止後もタービンは高温であり、徐々に相対的な温度差として、上が高温、下が低温になります。この時、温度差によってタービンが曲がってしまうので、運転停止後も非常用発電機によってタービンを回転させ続けなければなりません。

発電機(水素)密封油ポンプ電動機

水素冷却を用いている場合、水素と空気の混合による水素の爆発を防ぐために、常に水素の純度を高めておかなければなりません。発電機には軸受けなどに微妙な隙間があり、この隙間に油膜を貼ることで水素を密封しています。発電停止後もこの状態を維持しなければ水素が爆発する危険があるので、水素を密封するポンプ電動機には、密封に必要な油膜が切れぬよう非常用電源から電力を供給する必要があります。

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