令和5年度 上期 電験3種 機械 問9の過去問解説

令和5年度 上期 電験3種 機械 問9

定格容量50kV⋅Aの単相変圧器において、力率1の負荷で全負荷運転したときに、銅損が1 000W、鉄損が250Wとなった。力率1を維持したまま負荷を調整し、最大効率となる条件で運転した。銅損と鉄損以外の損失は無視できるものとし、この最大効率となる条件での効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)95.2  (2)96.0  (3)97.6  (4)98.0  (5)99.0

解答・解説

正解(4)

銅損は負荷率$\eta$の2乗に比例し、また最大効率の条件は鉄損=銅損の時なので、

$$\eta^2\times1000=250$$

$$\eta=0.5$$

の時に最大効率となります。

よって最大効率は、

$$\frac{50\times{10}^3\times0.5}{50\times{10}^3\times0.5+250+250}\times100=98.0392\left[\%\right]$$

となります。

よって、正解は(4)です。

変圧器の等価回路は下図の通りで、力率を$\theta$なら出力は$V_2I_2cos\theta$、r=r_1+r_2’とすれば、銅損は$P_c=rI_2’2$、鉄損は負荷状況によらず一定値$P_i$であるので効率$\eta$は、

$$\eta=\frac{V_2I_2cos\theta}{V_2I_2cos\theta+P_i+P_c}\times100=\frac{V_2I_2cos\theta}{V_2I_2cos\theta+P_i+rI_2^{\prime2}}\times100$$

$$\eta=\frac{V_2cos\theta}{V_2cos\theta+\frac{P_i}{I_2^\prime}+rI_2^\prime}\times100$$

ここで、分母の$$\frac{P_i}{I_2’}+rI_2’#が最小となる条件は微分=0であるので、

$$\begin{matrix}
-\frac{P_i}{I_2’^2}+r=0 & → & P_i=P_c=rI_2’^2
\end{matrix}$$

となって、鉄損=銅損の時最大効率となることが分かります。

タイトルとURLをコピーしました