令和4年度 下期 電験3種 機械 問7
次の文章は、交流機における電機子巻線法に関する記述である。
電機子巻線法には、1相のコイルをいくつかのスロットに分けて配置する(ア)と、集中巻がある。(ア)の場合、各極各相のスロット数は(イ)となる。
(ア)において、コイルピッチを極ピッチよりも短くした巻線法を(ウ)と呼ぶ。この巻線法を採用すると、(エ)は低くなるが、コイル端を短くできることや、(オ)が改善できるなどの利点があるため、一般的によく用いられている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
(1) | 分布巻 | 2以上 | 短節巻 | 誘導起電力 | 電圧波形 |
(2) | 分散巻 | 2未満 | 全節巻 | 励磁電流 | 力率 |
(3) | 分布巻 | 2未満 | 短節巻 | 励磁電流 | 力率 |
(4) | 分布巻 | 2未満 | 短節巻 | 励磁電流 | 電圧波形 |
(5) | 分散巻 | 2以上 | 全節巻 | 誘導起電力 | 力率 |
解答・解説
正解(1)
図に示すように、同期機には分布巻と集中巻があります。
集中巻の場合には各局各相のスロット数は2以上になります。
分布巻においてコイルピッチを極ピッチよりも短くした巻線法を短節巻といいます。
短節巻では、誘導起電力が低下しますが、電圧波形が改善できます。
以上より、
(ア)分布巻
(イ)2以上
(ウ)短節巻
(エ)誘導起電力
(オ)電圧波形
となるので、正解は(1)です。
●集中巻と分布巻
集中巻は、1つのスロットに集中して複数巻き付ける巻線法です。
分布巻は、一相の巻線を複数のスロットに分けて巻き付ける巻線法です。
集中巻 | 分布巻 |
また、短節巻とは、下図に示す通り極のピッチよりコイルピッチ(a1とa4のピッチ)のほうが短い巻線法をいいます。
この短節巻の毎極毎相のスロットは4です。なお、短節巻は分布巻になります。(集中巻はすべて全節巻になります)