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今回は、物理における摩擦力である、静摩擦力と動摩擦力、および垂直抗力について解説します。
ポイントなのが、動摩擦力は一定ですが、静摩擦力は一定ではないということです。
目次
垂直抗力とは
テーブルの上の垂直抗力
摩擦力を考える前に大事な概念として、垂直抗力があります。
垂直抗力とは、物体をある平面に置いた際に、物体が平面に加えている力と同じだけの力を、平面が物体に与えていることです。
コップを例に、垂直抗力を見ていきましょう。
テーブルの上にコップを置きますね。
そのコップには重力が働いています。
つまり、コップはテーブルを重力で押していることになります。
この時に、テーブルはコップから力を受けているので、同じ力でコップを押し返します。
個の垂直抗力により、重力と垂直抗力が互いの力を打ち消しあうことで、コップに働く力の総和が0となるため、コップはテーブルの上で静止します。
もし垂直抗力が存在しなかったら、物体の重力と打ち消しあう力が存在しないことになります。
つまり、テーブルの上のコップが、テーブルにめり込んでいくことになります。
したがって、垂直抗力の存在がわかります。
垂直抗力が小さい状況とは?
逆に、テーブルの上に鉄の塊を置いたとします。
この時、テーブルが壊れて、鉄の塊が床に落下したとします。
これは、テーブルが鉄の塊に対して重力を打ち消すだけの垂直抗力で押し返せないからです。
結果として、垂直抗力が重力より小さいので、テーブルが壊れます。
鉄の塊はテーブルを破壊して床に落ちて静止します。
この時、床が鉄の塊の重力と同じだけの垂直抗力を与えているので静止します。
摩擦力は垂直抗力に比例する
摩擦力は、垂直抗力に比例します。
摩擦係数という係数があり、これと垂直抗力の掛け合わせを行うことで、摩擦力の計算ができます。
この摩擦係数には、最大静摩擦係数と動摩擦係数があります。
今まで考えているようなテーブルなどの平面に物体を置いた場合には、垂直抗力は重力と等しくなります。
したがって、最大静摩擦係数を$\mu$として、最大静摩擦力は次の式で表すことができます。
$$F=\mu mg$$
また、動摩擦係数を$\mu^{\prime}$として、動摩擦を次の式で表すことができます。
$$F=\mu^{\prime} mg$$
ここで、最大静摩擦力と動摩擦力の物理における扱いの扱いの違いを見ていきましょう。
静摩擦力と動摩擦力
静摩擦は一定ではない
静摩擦とは、摩擦のある床面にある物体において、物体と床の間に働く摩擦力です。
静摩擦は一定ではありません。
しかし、静摩擦の最大値は一定です。
例えば、摩擦のある床に置いている物体を押したときに、物体は静止していたとします。
この時、物体には床との間に摩擦力があります。
物体は、摩擦力によって、静止しています。
物体が静止しているのなら、物体に働く力の総和は0です。
したがって、物体を手で押す力と、摩擦力が釣り合っていることになります。
手で押す力を変えても、物体は動かないとしましょう。
この時、物体と床面の摩擦力は常に手で押す力と同じになるため、一定値ではありません。
ただし、摩擦力にも限界があります。
そこで、静止している物体に対して、最大静摩擦係数があります。
最大静摩擦は、最大静摩擦係数を使って、次の式で表すことができます。
$$F=\mu mg$$
ここで、$\mu$は最大静摩擦係数です。
手で押す力が、この最大静摩擦を超えると物体は滑り出し、構成術の動摩擦力に変化していきます。
動摩擦は一定
さて、滑り出した物体と床面には、動摩擦が働いています。
この動摩擦は、次の式で表されます。
$$F=\mu^{\prime}mg$$
この動摩擦力は、常に一定です。
物体が滑っている速度にもよらず常に一定。
常に移動方向と反対方向に働いています。
最大静摩擦力から動摩擦力への変化
では、グラフを見ながら、静摩擦が最大静摩擦になり、動摩擦に変化していく様子を見ていきます。
静止している平面に置いてある物体に働く摩擦力のは、次のようになっています。
ここで、動摩擦の領域に入ると、手で押す力とは関係なく物体が動いて椅子間は動摩擦力で一定値になります。
ここまでの説明も、グラフで見るとさらに理解を深めることができるでしょう。
垂直抗力と静摩擦力・動摩擦力のまとめ
ここまで、垂直抗力と静摩擦力、動摩擦力について説明をしてきました。
垂直抗力は物体と平面の間に働く力です。
テーブルにコップを置いた時に、垂直抗力が大きな役割を持っています。
垂直抗力に係数を掛けることで求まるのが最大静摩擦力と動摩擦力です。
静摩擦力については、最大静摩擦力以下では加えられた力を打ち消すように働くため、一定値ではありません。
逆に動摩擦力は滑り出した物体と床面に働く力であり、滑っている速度に関係なく一定値となります。
以上、垂直抗力と静摩擦力、動摩擦力について、参考になれば幸いです。