三相誘導電動機の最高出力の導出

みなさん、こんにちは!

ブリュの公式ブログ.org(for Academic Style)にお越しいただきまして、ありがとうございます!

今回は、誘導電動機の特性計算として、最大トルクとその時のすべりの導出を行います。

数式ばかりですが、大事な部分なのでご自身でも計算をして答え合わせをしてみてください。

これらの式の導出は、誘導電動機の等価回路と特性式の記事をご覧ください。

これらの元々の特性式の導出は、

の記事をご覧ください。

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三相誘導電動機の最高出力

最高出力の計算はかなり面倒です。

何も難しいことはないのですが、計算がややこしいので、時間のある時にじっくりと計算してみるといいでしょう。

この計算量が、本当に電験で出題されるのかは微妙な気はします。

絶対時間足りないでしょう・・・

すべりの導出

三相誘導電動機の出力の式である、

$$P_o=3\frac{V_1^2}{(x_1+x_2´)^2+(r_1+\frac{1}{s}r_2´)}\frac{1-s}{s}r_2´$$

において、

$$\frac{dP_o}{ds}=0$$

の時の$s$が最大出力の滑りになります。

定数部分を省いて、

$$y=\frac{1-s}{s}\frac{1}{(r_1+\frac{r_2´}{s})^2+(x_1+x_2´)^2}$$

$f(s)=\frac{1-s}{s}$, $g(s)=\frac{1}{(r_1+\frac{r_2´}{s})^2+(x_1+x_2´)^2}$とすれば、$\frac{dy}{ds}=\frac{df(s)}{ds}g(s)+f(s)\frac{dg(s)}{ds}$より、

$$\frac{dy}{ds}=\frac{-s-(1-s)}{s^2}\frac{1}{(r_1+\frac{r_2´}{s})^2+(x_1+x_2´)^2}+\frac{1-s}{s}\{-\frac{2(r_1+\frac{r_2´}{s}\frac{r_2´}{s^2})}{(r_1+\frac{r_2´}{s})^2+(x_1+x_2´)^2}\}$$

$\frac{dy}{ds}=0$より、分母を払って、

$$-\{(r_1+\frac{r_2´}{s})^2+(x_1+x_2´)^2\}+\frac{1-s}{s}2(r_1+\frac{r_2´}{s})r_2´=0$$

上記式を展開し、$s^2$, $s$, 定数の項に整理すると(計算がややこしいので頑張ってください・・・!)、

$$\{-r_1^2-(x_1+x_2´)^2-2r_1r_2´\}s^2-2{r_2´}^2s+{r_2´}^2=0$$

$r_1^2+2r_1r_2´$を平方完成すると、$(r_1+r_2´)^2-r_2´^2$なので、

$$\{-(r_1+r_2´)^2-(x_1+x_2´)^2+r_2´^2\}s^2-2{r_2´}^2s+{r_2´}^2=0$$

符号を整理して、

$$\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}s^2+2{r_2´}^2s-{r_2´}^2=0$$

解の公式より、

$$s=\frac{-2r_2´^2±\sqrt{4r_2´^4+4\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}r_2´^2}}{2\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}}$$

分母の$\sqrt{}$内部を見ると、$4r_2´^4$がうまく消えることに気づき、

$$s=\frac{-2r_2´^2±\sqrt{4\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2\}r_2´^2}}{2\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}}$$

分母分子を2で割って、

$$s=\frac{-r_2´^2±\sqrt{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2\}r_2´^2}}{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}}$$

$0≦s≦1$であるので、分子の±は+が適するので、

$$s=\frac{-r_2´^2+\sqrt{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2\}r_2´^2}}{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}}$$

$$s=\frac{-r_2´^2+r_2´\sqrt{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2\}}}{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}}$$

$$s=\frac{r_2´(-r_2´+\sqrt{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2\}})}{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2\}}$$

これで答えなのですが、教科書的にはもう少し式を綺麗にしたほうがいいようです(試験では正解になると思いますが・・・)。

分母の$(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2-r_2´^2$について、$(\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´)(\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}-r_2´)$に変形できることに気づくと、

$$s=\frac{r_2´(-r_2´+\sqrt{\{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2\}})}{(\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´)(\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}-r_2´)}$$

分母分子を$(\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}-r_2´)$で割ると、

$$s=\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}$$

これで完成です。

お疲れさまでした。

最高出力

$$P_o=3\frac{V_1^2}{(x_1+x_2´)^2+(r_1+\frac{1}{s}r_2´)}\frac{1-s}{s}r_2´$$

$$s=\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}$$

より、

$$P_{o\_max}=3\frac{V_1^2}{(x_1+x_2´)^2+(r_1+\frac{1}{\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}}r_2´)^2}\frac{1-\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}}{\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}}r_2´$$

前半の分数について計算すると、

$$P_{o\_max}=3\frac{V_1^2}{(x_1+x_2´)^2+(r_1+\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´)^2}\frac{1-\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}}{\frac{r_2´}{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´}}r_2´$$

後半の分数を計算すると、

$$P_{o\_max}=3\frac{V_1^2}{(x_1+x_2´)^2+(r_1+\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´)^2}\\\frac{\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}+r_2´-r_2´}{r_2´}r_2´$$

最終的に、

$$P_{o\_max}=\frac{3V_1^2\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}}{(x_1+x_2´)^2+(r_1+r_2´+\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2})^2}$$

になります。

ここで面倒ですが、分母を展開します。

$$P_{o\_max}=\frac{3V_1^2\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}}{2(x_1+x_2´)^2+2(r_1+r_2´)^2+2(r_1+r_2´)\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}}$$

分母を2でくくると、

$$P_{o\_max}=\frac{3V_1^2\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}}{2\{(x_1+x_2´)^2+(r_1+r_2´)^2+(r_1+r_2´)\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}\}}$$

さらに、複雑ですが、分母を$\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}$でくくると、

$$P_{o\_max}=\frac{3V_1^2\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}}{2\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}\{\sqrt{(x_1+x_2´)^2+(r_1+r_2´)^2}+(r_1+r_2´)\}}$$

分母分子を$\sqrt{(r_1+r_2´)^2+(x_1+x_2´)^2}$で割って、最終的に、

$$P_{o\_max}=\frac{3V_1^2}{2\{\sqrt{(x_1+x_2´)^2+(r_1+r_2´)^2}+(r_1+r_2´)\}}$$

となります。

まとめ

ここまで、三相誘導電動機の最高出力と、その時のすべりの導出方法について説明してきました。

三相誘導電動機の特性式さえ理解していれば、計算は面倒ですが確実に答えは導けます。

若干ややこしい式変形もありますが、慣れておくといいでしょう。

最大トルクの導出方法も確認しておくことをお勧めします。

三相誘導電動機の最大トルクの導出

以上、三相誘導電動機の最高出力の導出について、参考になれば幸いです。

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