令和4年度 電験2種 2次試験 機械・制御 問2の過去問解説(電気機器 誘導電動機の特性に関する計算問題)

定格線間電圧$200{\rm V}$、定格周波数$50{\rm Hz}$、4極の三相かご形誘導電動機がある。この電動機の三相星形結線1線分のL形等価回路の定数を、励磁アドミタンス$\dot{y_0}=0.05-j0.1{\rm S}$、一次巻線抵抗$r_1=0.1{\rm Ω}$、一次漏れリアクタンス$x_1=0.3{\rm Ω}$、二次抵抗の一次換算値$r_2’=0.15{\rmΩ}$、二次漏れリアクタンスの一次換算値$x_2’=0.5{\rm Ω}$とする。この誘導電動機を定格電圧、定格周波数の三相交流電源に接続して、運転している。そのときの回転速度が$1455{\rm min^{-1}}$である。この電動機について次の値を求めよ。

(1)電動機の滑り$s\left[\%\right]$

(2)励磁電流$\dot{I_0} \left[{\rm A}\right]$

(3)二次電流の一次換算値$I_2’ \left[{\rm A}\right]$

(4)銅損$\left[{\rm W}\right]$

(5)電動機の入力電流$I_1\left[{\rm A}\right]$

(6)電動機の入力力率$\left[\%\right]$

解答・解説

小問(1)

定格周波数50Hz、4極機であるので、同期速度は、

$$\frac{120}{4}×50=1500\left[{\rm min^{-1}}\right]$$

である。よって滑りは、

$$\begin{align}
s&=\frac{1500-1455}{1500}×100\\
&=3\left[\%\right]\tag{1}
\end{align}$$

となる。

(答)$s=3.00\left[\%\right]$

小問(2)

問題設定から、誘導電動機の等価回路を描くと、解図1の通りになる。

解図1

解図1より、励磁電流$\dot{I_0}$は、電源電圧$\dot{V}=\frac{200}{\sqrt3}\left[{\rm V}\right]$と、励磁アドミタンス$\dot{y}=0.05-j0.1\left[{\rm S}\right]$を用いて、

$$\begin{align}
\dot{I_0}&=\dot{V} \dot{y}\\
&=\frac{200}{\sqrt{3}}\left(0.05-j0.1\right)\\
&=5.7736720554-j11.5473441108\left[{\rm A}\right]\tag{2}
\end{align}$$

となる。

(答)$\dot{I_0}=5.77-j11.5\left[{\rm A}\right]$

小問(3)

解図1より、$I_2’$の流れる経路上のインピーダンス$\dot{Z}$は、

$$\begin{align}
\dot{Z}&=r_1+r_2+\frac{1-s}{s}r_2^\prime+j\left(x_1+x_2’\right)\\
&=0.1+0.15+\frac{1-0.03}{0.03}\times0.15+j\left(0.3+0.5\right)\\
&=5.09999999999+j0.8\left[Ω\right]\tag{3}
\end{align}$$

である。

よって、

$$\begin{align}
\dot{I_2’}&=\frac{\dot{V}}{\dot{Z}}\\
&=\frac{\frac{200}{\sqrt{3}}}{5.09999999999+j0.8}\\
&=22.0981069288-j3.46636971433\left[{\rm A}\right]\tag{4}
\end{align}$$

となる。

(答)$I_2’=22.1-j3.47\left[{\rm A}\right]$

小問(4)

小問(3)の結果より、二次電流の一次換算値$I_2’$の大きさは、

$$\begin{align}
\left|\dot{I_2’}\right|&=\sqrt{22.0981069288^2+3.46636971433^2}\\
&=22.3683269117\left[A\right]\tag{5}
\end{align}$$

銅損は、一次側抵抗$r_1$と二次側抵抗の一次側換算値$r_2’$で発生する損失なので、

$$\begin{align}
3\left(r_1+r_2’\right)\left|\dot{I_2’}\right|^2&=3\left(0.1+0.15\right)×22.3683269117^2\\
&=375.256536621\left[{\rm W}\right]\tag{6}
\end{align}$$

となる。

(答)$375\left[{\rm W}\right]$

小問(5)

電動機の入力電流$\dot{I_1}$は、励磁電流$\dot{I_0}$と二次電流の一次換算値$\dot{I_2’}$のベクトル和となので、

$$\begin{align}
\dot{I_1}&=\dot{I_0}+\dot{I_2’}\\
&=5.7736720554-j11.5473441108+22.0981069288-j3.46636971433\\
&=27.8717789842-j15.0137138251\left[{\rm A}\right]\tag{7}
\end{align}$$

となる。その大きさは、

$$\begin{align}
\left|I_1\right|&=\sqrt{27.8717789842^2+15.0137138251^2}\\
&=31.658295383\left[{\rm A}\right]\tag{8}
\end{align}$$

となる。

(答)$I_1=31.7\left[{\rm A}\right]$

小問(6)

電動機の入力力率は、電源電圧を基準としたとき$\dot{I_1}$が式(8)の通りに表せるので、この$\dot{I_1}$の偏角そのものが力率となる。

よって、

$$\begin{align}
cosϕ&=\frac{Re\left[\dot{I_1}\right]}{\left|\dot{I_1}\right|}\\
&=\frac{27.8717789842}{31.658295383}\\
&=0.88039417937\\
&=88.039417937\left[\%\right]\tag{9}
\end{align}$$

となる。

(答)$88.0\left[\%\right]$

誘導電動機のベクトル図を示します。電源電圧$\dot{E}$を基準位相としているため、一次電流$\dot{I_1}$の偏角そのものが力率$cos\phi$となります。

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