【R2 電験2種 2次 機械・制御 問2】電気機器 変圧器の開放試験と短絡試験

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この記事では、令和2年度 電験2種 2次試験 機械・制御 問2の過去問解説をします。

変圧器の開放試験と短絡試験から等価回路定数を求める問題は頻出ですし、計算もそこまで難しくないので、確実に得点源にできるようにしておいてください。

令和2年度 電験2種 2次試験 機械・制御 問2 問題文

定格容量$100{\rm kV・A}$、定格一次電圧$6 600{\rm V}$、定格二次電圧$440{\rm V}$、定格周波数$60{\rm Hz}$の単相変圧器がある。この変圧器の一次換算全巻線抵抗は$2.72{\rm Ω}$である。

この変圧器について、簡易等価回路を用いて次の問に答えよ。ただし、鉄損と銅損以外の損失は無視できるものとする。

(1)この変圧器の二次側の端子を開放して、一次側に定格周波数、定格一次電圧を印加したところ、一次側に$0.173{\rm A}$の電流が流れ、力率は$0.35$(遅れ)であった。鉄損$W_i\left[{\rm W}\right]$を求めよ。

(2)定格負荷で運転しているときの銅損$W_c\left[{\rm W}\right]$を求めよ。

(3)力率$100\%$で運転する場合に、効率が最大となる負荷率$\left[\%\right]$及びそのときの効率$\left[\%\right]$を求めよ。ただし、負荷率$x\left[\%\right]$とは負荷が変圧器定格容量の$x\left[\%\right]$であることとする。

(4)負荷率$30\%$で力率$60\%$の負荷を接続した場合の効率$\left[\%\right]$を求めよ。

解答・解説

小問(1)

変圧器の開放試験時の回路を解図1に示す。

解図1

鉄損、つまり励磁回路の損失は、開放試験における有効電力を計算すればよく、

$$\begin{align}
W_i&=6600×0.173×0.35\\
&=399.63\left[{\rm W}\right]\tag{1}
\end{align}$$

となる。

(答)$W_i=400\left[{\rm W}\right]$

本問のように、変圧器の特性試験の問題は、何を測定しようとしているのかの題意さえつかんでしまえば、計算自体は簡単なものが多いです。

確実に得点につながるようにしておきましょう。

小問(2)

変圧器の短絡試験の回路図を解図2に示す。

解図2

定格電流$I_n$は、定格容量$100\left[{\rm kV・A}\right]$、定格電圧$6600\left[{\rm V}\right]$であるとから、

$$\begin{align}
I_n&=\frac{100×1000}{6600}\\
&=15.1515151515\left[{\rm A}\right]\tag{2}
\end{align}$$

となる。銅損は、解図2で示す抵抗$2.72\left[{\rm Ω}\right]$で生じるので、

$$\begin{align}
W_c&=2.72×15.1515151515^2\\
&=624.426078969\left[{\rm W}\right]\tag{3}
\end{align}$$

となる。

(答)$W_c=624\left[{\rm W}\right]$

小問(3)

■おさらい

変圧器を一定電圧$V$、電流$I$、一定力率$cos\theta$、銅損$W_c=RI^2$、鉄損$W_i$とすれば効率$\eta$は、

$$\begin{align}
\eta&=\frac{VIcos\theta}{VIcos\theta+W_c+W_i}×100\\
&=\frac{VIcos\theta}{VIcos\theta+RI^2+W_i}×100\\
&=\frac{Vcos\theta}{Vcos\theta+RI+\frac{W_i}{I}}×100\left[\%\right]
\end{align}$$

となり、分母の$I$に関する変数を抜き出し$f\left(I\right)$とすれば、

$$f\left(I\right)=RI+\frac{W_i}{I}$$

であり、この$f\left(I\right)$部分が最小であれば最大効率になるので微分して、

$$\frac{df\left(I\right)}{dI}=R-\frac{W_i}{I^2}=0$$

つまり、$W_i=RI^2=W_c$となり、鉄損=銅損の時、最大効率となることがわかる。

最大効率の問題は、鉄損=銅損に着目すればよい。

鉄損$W_i=399.63\left[{\rm W}\right]$は、負荷によらず一定である。銅損は負荷率の2乗に比例する。

すなわち、負荷率$x$とすれば、銅損は$W_cx^2$となる。

最大効率は鉄損=銅損の時なので、

$$399.63=624.426078969x^2\tag{4}$$

より$x=0.8000$である。

負荷率$0.8000$($=80\left[\%\right]$)、つまり出力$80\left[{\rm kV・A}\right]$(力率$100\%$なので出力$80\left[{\rm kW}\right]$)の時、損失は$399.63×2=799.26$なので、最大効率$\eta_{max}$は、

$$\begin{align}
\eta_{max}&=\frac{80×1000}{80×1000+799.26}×100\\
&=99.010807772\left[\%\right]\tag{5}
\end{align}$$

となる。

(答)負荷率$80.0\left[\%\right]$、最大効率$99.0\left[\%\right]$

小問(4)

負荷率$30\left[\%\right]$、より、皮相電力$P_a$は、

$$\begin{align}
P_a&=100\left[{\rm kV・A}\right]×0.3\\
&=30\left[{\rm kV・A}\right]\tag{6}
\end{align}$$

力率$60\%$より、有効電力$P_O$は、

$$\begin{align}
P_O&=P_a×0.6\\
&=18\left[{\rm kW}\right]\tag{7}
\end{align}$$

となる。

銅損は、負荷率の2乗に比例するので、本問における銅損を$W_{C1}$とすれば、

$$\begin{align}
W_{C1}&=624.426078969×\left(\frac{30}{100}\right)^2\\
&=56.198347107\left[{\rm W}\right]\tag{8}
\end{align}$$

となる。

  • 有効電力$18\left[{\rm kW}\right]$
  • 鉄損$399.63\left[{\rm W}\right]$
  • 銅損$56.198347107\left[{\rm W}\right]$

であるから、効率$\eta$は、

$$\begin{align}
\eta&=\frac{18×1000}{18×1000+399.63+56.198347107}×100\\
&=97.530165872\left[\%\right]\tag{9}
\end{align}$$

となる。

(答)$97.5\left[\%\right]$

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